サロン その2

井上真紀子さん からのおたよりです。

「女王バチ救出のおはなし」

先日、新潟の上越市の友人宅に泊った時にハチの面白い行動に出くわしました。

この家には自慢の薪ストーブがあって、夜、冷えてきたので今季初でストーブに薪を入れようとしたところ観音開きの扉の内側に、15.6匹の大きなハチが団子状態でとまっていたんです。

びっくりしてすぐに閉めました。

翌朝もそのままの状態で、どうしたものか、と。

 そこで、Facebookで知ったハチ好きの農家の方がいるので、その方にこのハチは何でこんなところにかたまっているのか、どうしたらいいのか写真を送って聞くことにしました。こんな答えをもらいました。

 

 

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 たぶん、ヒメスズメバチに巣を追われた、アシナガバチ(フタモンアシナガバチかなぁ)の女王たちだと思います。

越冬までの間、こうして集団でかたまっていて、その後、ホソアシナガバチ以外のアシナガバチの場合は、個々に一頭ずつに分かれて越冬し(ホソの場合は集団で越冬し)、無事、冬を越えることができたら来春、巣作りから餌の確保、産卵までのすべてを女王バチひとりで頑張ります。 

 この時期の女王は、つかんだりつまんだりしない限り、まず刺しません。

 


 

 昼間、暖かい時間だったら、アシナガバチは明るい方向に移動するので、部屋の中、逃がす窓以外のカーテンまたはブラインドを閉めて、逃がす窓を全開にあけておけばそこから外に出て行ってくれると思います

気温が低い場合は動きが鈍いので、ティッシュか何かに数頭ずつ移ってもらい、それを外に出す、というのがいいと思います。 もしまだ、ストーブを炊けずにいるとしたら、お友達に教えてあげてくださいね。

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 このことを友人夫妻に伝えたら、ちゃんと教わった通りにやってくれて無事に女王様たちを外に出すことができました。

 

 里山なので、彼らは年中ハチに刺されています。

なのに「女王バチを一網打尽にするチャンス」と思わずにちゃんと逃がしてくれて、本当にうれしかったです。

文:井上 真紀子