小金井自然観察会 コラム

大石征夫 会長のコラム

2022年4月

FMラジオフチューズ 大石会長

2回にわたり出演

もりもり(ラジオフチューズ パーソナリティ)の

「武蔵野の昔にお邪魔します」の番組にゲスト出演

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武蔵野の昔 前半
大石会長トーク
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小金井自然観察会の宣伝!

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武蔵野の昔 後半
大石会長 トーク
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会報 2023年7月号「こなら」に掲載

10年後の小金井 

大石 征夫 (当会会長) 

 今年もカッコウの声が聞かれました。ホトトギスも探鳥会の時に頭の真上で「東京特許許可局!」と大声で鳴いてくれました。6 月18日の観察会の日にはクジラ山の原っぱでセッカが見られたそうです。早朝にカッコウの声で目を覚ますと高原に居るような気分になりますが、我家は50 年ほど前に宅地分譲した混みあった住宅地の一角に佇んでいます。引っ越してきた当時は家の裏はクリ林でかなり広く続いていました。現在は全て住宅です。小金井はかつて幕府に献上するための「御栗林」があったこともあり、クリ林が残っています。そのクリ林がどんどんなくなっています。最近のことですが、新小金井街道と東八道路の交差する近くのクリ林はあっという間に伐採され、更地になりました。確認申請の看板には店舗が出来ると書いてありました。この交差点の近くの相当広い植木畑も30棟以上の住宅展示場になってしまいました。

レストラン「寺子屋」の下の前原3丁目の大地主さんの所有だった場所は、大手デベロッパーにより56戸の分譲住宅の建築が始まり、令和6年2月には完成します。ここは広くて、沢山の樹木がありましたが、今は小さな公園に形ばかりの植木が植えてあります。

それ程大規模でなくても我家の並びでも 1 件空き家になり、売りに出されるとその敷地には 2軒、3 軒が建つというミニ開発が進んでいます。敷地一杯に建物が建ち、駐車場は必ずありますのでほとんど庭はありません。世代交代や建物の老朽化でとりこわされる家が多くなっています。

我が家もそろそろ仲間入りです。我が家の小さな庭ですが、前にお話ししましたように、手入れが悪く草ボーボーで「生物多様性」の庭になっています。取り壊した場合、庭にチョロチョロしていたニホントカゲやニホンカナヘビ、古くなった家を守ってくれていたヤモリたちはどこに行くのでしょうか。

貫井南町はまだ農地がありますが、相続の時にどれだけ残るか、宅地造成になる候補生ばかりのような気がします。クリ林や畑、土の庭であれば雨が降ると地下に浸透しますが、宅地になると舗装道路やコンクリートの駐車場では雨水が地下浸透出来ません。湧水が減少することになります。野川の水は雨水と湧水で成り立っていますから 10 年後には小金井市内の野川は水無川にならないか心配です。民有地の緑地を残すのは非常に難しいのですが、法改正をして少しでも残せるようにしたいものです。小金井に残された公園の緑地、くじら山の原っぱ、野川の調整池、玉川上水の長いグリーンベルト、人間生活にとっても貴重な緑です。今年も野川上流の小金井市内でホタルの光が見られました。空高くツバメが飛んでいます。カワセミも水面すれすれに飛び

交っています。10年後、50 年後も今と変わらない緑豊かな緑地として残って欲しいものです。


会報2023年1月号 『こなら』掲載

冬の花

大 石 征 夫 (当会会長) 

 

寒い時期でも咲く花があります。11月頃からサザンカが咲き始めます。野生の原種の花の色は白色 で一重です。園芸品種の花色は赤、桃、ぼかし等バラエティーに富み、一重や八重咲など多くの品種 が作られています。生け垣や庭に植えられていて良く見られる紅色の「カンツバキ」はツバキと名の 付くサザンカの園芸品種です。 サザンカとツバキの違いは皆さんご存知だと思いますが、花びらがバラバラになって散るのがサザ ンカで、雄しべの花糸が合着していて花全体が落ちるのがツバキです。 夏目漱石が「落ちざまに 虻を伏せたる 椿かな」と詠んだ句があります。その情景を実際に見てこ の句を作ったとは思えませんが、気温の低い時期に咲くので虻も動作が鈍かったのかもしれません。 その他の違いとして、花の香りはサザンカにあり(強いものや弱いものあり)。ツバキは無しです。細 かいことですが子房及び果皮の表面の毛は、サザンカにあり。ツバキに無しです。 身近な花でヤツデもこの寒い時期に咲きます。花は小花が球状に集まって咲き5弁花です。両性花 と雄花があります。両性花は雄花が花粉を出し終わると花弁と共に落ちてしまいその後に雌しべが成 熟して自家受粉をしないようにしています。蜜が花床から浸み出てハナアブやハエの仲間が蜜をなめ に訪れ花粉を運びます。 ビワの実は5~6月に熟しますが、白い5弁の花は10 月~12月咲きます。メジロが良く蜜を吸い に来ます。顔を花の中に突っ込んで蜜を吸いますので花粉が顔に付きます。その花粉を別の木の花に 運びますので“鳥媒花”です。甘い香りがあります。 セツブンソウは名前のごとく2月の初旬、正に節分の頃に咲きます。背の低い小さな花なので雪に 埋もれてしまいそうです。白い花弁状のものはガク片で、花弁は雄しべを太くしたような棒状で先端 が黄色で2裂しています。5 月頃には地上部は枯れてしまう春のはかない命=スプリングエフェメラ ルの仲間です。 


                                                

 会報2022年1月号 『こなら』掲載

絶滅危惧から絶滅へ

                     大 石 征 夫 (当会会長) 

玉川上水の小金井市内を流れる部分は「名勝小金井桜」として文化財になっています。現状は昔植 えたヤマザクラは古木となり、枯れたり弱ったりしています。「名勝小金井桜」を復活・保全を推進す る事業としてサクラ以外の樹木がほとんど伐採されました(皆伐状態)

 

「小金井桜」復活を否定はし ませんが他の樹木も共存できるものと思っています。小鳥たちの餌となるエノキやムクノキは全て伐 採されました。秋に紅葉が美しいモミジもほとんど切られ、70年以上も生きてきたケヤキの大木は切 株だけとなり痛々しい姿となりました。今まで色々な種類の樹木が茂っていた環境は大きく変化しま した。柵内は一般人が立ち入り禁止となっていたので貴重な植物が奇跡的に残されていました。年間 を通して調査しましたら、絶滅危惧種が7種もあることが分かりました。

東京都環境局が「東京の保全上重要な野生生物」北多摩地区(小金井、小平、武蔵野)で絶滅危惧 種としたレンリソウ、アズマイチゲ、ヒメニラ、アマナ、キツネノカミソリ、ホタルカズラ、ニリン ソウです。どれも環境変化に弱いものばかりです。 伐採されたために日当たりが良くなり、クズやクサギ、アカメガシワ、ササなどの太陽光を好む植 物がすごい勢いで繁茂し下草を覆ってしまいました。 キツネノカミソリですが、一昨年は何輪か花を見ることが出来た場所がありましたが昨年は花を見 ることが出来ませんでした。

 

ご存知のようにキツネノカミソリはヒガンバナと同じように花の咲く時 期には葉がありません。花は7~8月頃に咲きますが、3 月頃に葉を出して5~6月にはもう落葉し てしまいます。この2~3か月の間に養分を蓄える訳です。この時期にクズやササなどが繁茂してし まうと養分を蓄えることが出来ずに枯れてしまいます。他の絶滅危惧種もキツネノカミソリと同じよ うに絶滅の道を辿るのではないかと危惧されます。 


 

2021年 明けましておめでとうございます

会報 『こなら』 2021年1月号に掲載

百人一首 で 自 然 観 察

 

大 石  征 夫 (当会 会長)


                                   

秋の田の 仮庵の庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ (天智天皇)

この歌の「苫」とはスゲやカヤで編んだ菰のことで、その屋根を葺いた網目が粗いので衣の袖が露に濡れて行く、という歌です。

次に光孝天皇の歌を見てみましょう。

君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ (光孝天皇)

若菜は【セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ これぞ七草】です。

この二つの歌は、下の句が紛らわしいので、良くお手付きをしてしまいます。

奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき (猿丸太夫)

秋になると雄鹿が雌鹿を求めて「ピョーーォ」と鳴きます。ニホンジカは秋が繁殖期です。

いつどこの山で聞いたのか覚えていませんがとても物悲しい声だった記憶があります。

かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きをみれば 夜ぞふけにける (大伴家持)

カササギはカラスの仲間で、ハシボソガラスより少し小さめで尾の長い鳥ですが、高野信二さんは「日本では北九州の佐賀平野を中心にした地域だけにしかいないのです。ヨーロッパからアジア、そして北アメリカ大陸にと、広く分布しているカササギですが、元来日本にはいなかったのです。……(略)……とにかく移入されてからずいぶん、年月がたつのに、カササギの分布が佐賀平野から広がらないのはふしぎです」と書かれています。ところが1990年代から北海道の苫小牧周辺にも生息するようになりました。カササギは大きな移動を行わないので、北海道の鳥は韓国からの貨物船によって運ばれたのではないかと考えられましたが、DNA分析でロシア極東を起源とすることが分かり、カササギが自力で北海道に渡ってきた可能性が出て来たのです。これからは分布を広げて津軽海峡を渡り、本州まで来てくれるかもしれません。

たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む(在原行平)

ここでの「まつ」は「松」と「待つ」の掛詞ですが、「松」は「アカマツ」です。乾燥地に強く、日当たりの良い所を好みますので、山の尾根沿いに生えます。

誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに(藤原興風)

こちらは「クロマツ」です。高砂は瀬戸内海に面した姫路の隣の松の名所として知られています。砂地に強く防砂林としてたくさん植えられています。

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む(藤原良経)

キリギリスは今の「コオロギ」のことです。晩秋の寂しさがにじみ出ています。

【クイズ】次の藤原実定の歌は何時頃歌われたのでしょうか。①早朝、②昼間、③夕方

ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば が上の句です。下の句が分かれば簡単です。

 


会報 『こなら』 2020.7月に掲載

家紋になった植物 Ⅱ

大石 征夫 (当会 会長)

 

 家紋は家の印です。つまり苗字を分かり易く図案化したものです。約2万種類あると言われています。植物以外にも鷹の羽、銭、巴など様々ですが、最も人気のあるのが植物です。前回は有名な家紋を紹介しました。しかし、フタバアオイはあまり見かけない植物です。今回は身近な植物の家紋を幾つか紹介します。 

1、桜(サクラ)

サクラは日本人にとって特別な感情があるように思えます。お花見と称して宴会を楽しむ文化は日本独特のもののようです。桜の付く地名や苗字も多くあります。桜井、桜木、桜田などは地名・人名に共通しています。桜紋は家紋の中でも傑作のひとつと言われ約100種近くもあります。細川桜、桜井桜などその家独特のデザインのものもあります(図1は、「山桜」)。

 

2、片喰(カタバミ)

カタバミは公園や道端等どこにでもあるもので、雑草にも目を向け家紋にまで高める日本人のデザイン力は優れていると思います。3枚の葉がハート型なので女性にも好まれる紋です。片喰紋の原型は三葉ですが葉の間から三つの剣を出しているものを「剣片喰」と言い、多くの武士がこの紋を使用しています。新田氏や宇喜多氏がこの紋を用いています(図2は、「丸に剣片喰」)。

 

3、撫子(ナデシコ)

ナデシコは可憐な花をデザインしたもので「瞿子」とも書いて20種ほどあります。

「カワラナデシコ」は秋の七草に入っていて俳句でも秋の季語ですが、実際は夏前から咲き始めます。「大和撫子」と言えば日本女性のおしとやかさを称賛する言葉ですが、女性の内なる強さも含んでいます。まさに「なでしこジャパン」(図3は、「撫子」)。

 

4、クイズです:何の植物をデザインしたのか、すぐに分かるものが多いのですが、紋にした時にかなり変形されているものもあります。右端の家紋(4)は何を描いたものでしょうか。



 

会報 『こなら』 2020.1 月に掲載

家紋になった植物

             大 石 征 夫 (小金井自然観察会 会長) 

「この紋所が目に入らぬか!!」で皆さんおなじみの徳川家の葵(あおい)の紋の「アオイ」は、草丈が2m近くになり、大輪の美しい花を咲かせる「タチアオイ」ではありません。背丈の低い日影に生える「フタバアオイ」をデザインしたものです。フタバアオイは、ウマノスズクサ科のカンアオイの仲間で高尾山あたりに行けば見られます。名前のように葉っぱは一株から2枚出て、カンアオイより葉質が薄く色は明るい緑です。自然界では葉が3枚出ることはほとんどないと思いますが、家紋で3枚にしたのは安定感があって素晴らしいデザインだと思います。京都の賀茂神社の神紋もフタバアオイを使ったデザインになっています。

 500円硬貨の裏に描かれているのは桐です。これはかなり写実的に描かれていますが家紋になるとシンプルに花の数を3や5、7のように簡略化して五三の桐、五七の桐となります。中国では鳳凰(ほうおう)が梧桐(ごとう)に止まって鳴くと良いことが起こると言い伝えられ、めでたい木とされました。梧桐は「アオギリ」のことですが、日本ではいつの間にか桐に変化して桐も高貴な木とされました。桐紋は主に皇室で使用されるようになりました。桐紋は160種以上もあると言われています。どうして多くなったかというと、皇室は特によく仕えた将軍家に桐紋を下賜したからです。さらに将軍たちが功績のあった部下たちに桐紋を与え、次々に桐紋が増えていったのです。さて、皇室は、将軍家に桐紋を下賜する代々の習わしに従って徳川家に与えようとしましたが、慶長16年、徳川家康ははっきりと辞退しました。皇室は面目を失い、以後桐紋は下賜されなくなりました。それに引き換え徳川家の葵紋は一段と格が上がりました。

小金井神社に行くとウメの紋を見ることができます。これは菅原道真を祭ってあるためで、湯島天神など他の神社でもよく見かけます。菅原道真を慕って太宰府まで飛んで行ったという飛梅伝説は有名です。「東風(こち)吹かば におい起こせよ 梅の花 主(あるじ)なしとて 春な忘れそ」と詠みました。

二葉葵紋

桐紋

梅鉢紋



会報 『こなら』 2019.1 月に掲載

すごいぞ! 小金井

             大 石 征 夫(小金井自然観察会 会長)

 

昨年(2018年)も野川公園の隣の焼却場跡地で「コチドリ」が2年連続で繁殖しました。小さなヒナがまさにチドリ足で歩く姿で楽しませてくれました。3羽が無事に巣立ちました。「アオゲラ」も「ハケ」のセンダンの木に巣作りをして、巣立ちが確認できました。しかし、ヘビにやられて残念ながら巣立ったのは1羽だけだったようです。アオゲラにはかわいそうなことでしたがヘビにとっては生きるための殺生です。

「カッコウ」の声も会員皆さんからの情報で、小金井市全域と言って良いほど広い範囲で高原にでもいるかのようなすがすがしい声を聞くことが出来ました。繁殖の証拠写真は撮れませんでしたがどこかでまたオナガにでも托卵していたかもしれません。    

「カルガモ」の親子連れは毎年野川で見られます。たくさんのヒナを引き連れて泳ぐ姿は愛らしいのですが、日に日にそのヒナの数が減っていくのは自然の摂理とは言え我々の目には悲しいこととして映ります。

「オオタカ」も野川公園の観察会で良く観察されます。胸が白く横縞のはっきりした成鳥と茶色い幼鳥も見られます。ICU(国際基督教大学)のキャンパスにとても良い自然の林が残っていますのでそこで繁殖していると思われます。

「ハケ」の緑地で「フクロウ」の声がするとの情報が多数ありました。信頼のおける方々からの情報ですから間違いはないと思います。ご存知のようにオオタカやフクロウは猛禽類ですから肉食です。餌になるのはフクロウはネズミやモグラ、時には爬虫類や昆虫も食べます。オオタカはドバトやキジバトなどです。以上のように繁殖が確認されていることやオオタカやフクロウのように食物連鎖の頂点にいる鳥が住めるという事は餌になるものがあり、巣作りする大きな木があること等、自然環境が小金井にはまだまだ残っているという事です。これからもカッコウやフクロウの声も聞きたいですし、オオタカの悠々と飛翔する姿を見たいものです。

繁殖はしませんが、「リュウキュウサンショウクイ」が野川公園の観察園内で観察されています。「サンショウクイ」の亜種という事ですが、本来は沖縄などの南西諸島にいる鳥です。野川では「バン」「オオバン」「クイナ」や運が良ければ「ベニマシコ」にも遠方に出掛けなくても出会えることがあります。

我家の庭の生物多様性

大 石 征 夫 (小金井自然観察会 会長)

我家は50年ほど前に宅地分譲した一角にあります。庭はそれ程広くありません。南側の接道部分は「カナメモチ」の生垣で、高木としてはサクランボの木(品種は分かりません)と豊後梅を植えてあります。花木は「アジサイ」や「ヤブツバキ」「ブラシノキ」、草花は「シラン」「ニリンソウ」「スイセン」「シュウメイギク」など統一感なしで、「ドクダミ」や「カタバミ」「ウラジロチチコグサ」「スズメノカタビラ」等、雑草が生い茂っています。その環境のせいか色々な生き物が住みつき、訪れてもくれます。幾つかをご紹介いたします。

魚類を飼っていました。「金魚」です。庭の片隅に使わなくなった火鉢に金魚5匹を入れて家内が毎日餌をやり大事に育てました。10㎝以上に大きくなり、網も掛けていたのですが一晩で全ていなくなりました。「ハクビシン」の仕業であろうということで捕獲器を仕掛けましたら1週間ほどで見事に「ハクビシン」を捕獲! 北側の境界ブロック塀が通り道になっているようです(「ハクビシン」については№99で清水先生が詳細記述)。両生類は「アズマヒキガエル」が仕事帰りの夜道の真ん中でノソノソしていました。「轢かれガエル」になりそうなので連れて帰りました。普段はどこに居るのか分かりませんが、雨模様の時に時々現れます。庭の主のように何年も居座っています。       

 

爬虫類は「ニホントカゲ」「ニホンカナヘビ」「ニホンヤモリ」が棲んでいます。3種類ともチビどもがチョロチョロしていますので、繁殖しているのは間違いありません。「ヤモリ」は「家守」ですから大切にして、可愛がっています。捕まえやすいので捕まえると油性マジックで頭に印を付けて逃がしていますが、今までに印の付いたものを再び捕まえたことがありません。それだけ個体数が多いのでしょうか。友人にこのことを話しましたら、「ヤモリ」もシャンプーをしているんだよとの返事が返って来ました。クモ類は「ジグモ」の細長いひも状の巣がブロック塀の根元の方に何本も見られます。「ギンメッキゴミグモ」は毎年生垣の間に頭を上にして細かい円網を張っています。「ジョロウグモ」はかなり高い所まで大きな網を張り、狭い庭の割には密度が高く、家の者にはみっともないといわれているのですが、防虫役としてそのままにしています。母がもらって来た「タイワンホトトギス」は繁殖力が強く、花自体もあまり好きではないので全部抜いてしまおうと思ったのですが、「ルリタテハ」のトゲトゲの幼虫が付いてくれますので、そのままにしています。サクランボの木が大きくなり、庭の日当たりが悪くなっているのですが、鳥たちのために伐採出来ずにいます。サクランボの実が色付き、そろそろ食べごろだと思っていると「ヒヨドリ」に食べられてしまい、ここ何年も口にしたことがありません。生物多様性のために伐採もせず、除草もさぼっている我が家の庭です。(会報 こなら 2018年7月1日号に掲載)

野川公園の気になる木(Ⅱ)

大 石 征 夫(当会会長 

今回は野川公園の東八道路から南のエリアの気になる木です。

人見街道からの入口、正門から歩いてみます。入口の左側角に「オオシマザクラ」があります。ソメイヨシノの片親で純白の大きな花が咲きます。桜餅を包んでいる葉っぱはこのオオシマザクラの葉を塩漬けにしたものです。サクランボが6月半ばに熟します。ヤマザクラやソメイヨシノのサクランボは苦くて食べられませんが、オオシマザクラは真っ黒に熟したものは苦みがなく、結構食べられます(タネが大きく、皮が硬いですが……)。

管理事務所に寄り「樹木観察マップ」を貰います。

管理事務所前の芝生広場の西側に「クリミアボダイジュ」が3本あります。樹名板に昭和56年東ベルリン市より寄贈、19世紀に作出された交雑種と書いてありました。葉は少しいびつな広卵形で花序にへら状の独特な苞葉が付いています。シナノキの仲間の特徴です。お釈迦様が悟りを開いた木は熱帯産の「インドボダイジュ」で関東の野外では育ちません。

舗装道路を西に進みヒマラヤスギの林立するバーベキュー広場の角を右に曲がった竹林の前に「ピンオーク」の大木が2本あります。落葉樹ですが葉っぱがヒイラギを大きく引き伸ばしたような独特の形をしています。北アメリカ原産のコナラの仲間で、秋になるとドングリが成ります。薄いベレー帽のような殻斗のかわいいドングリです。

管理事務所の北側に行くと野川公園で一番大きい「クスノキ」が枝を四方に広げて風格のある姿を見せてくれます。枝の下をそのまま進むと売店(パークス野川)の手前に 「リキダマツ」があります。北米原産、3葉で幹からも直接束になって芽を出すのも特徴です。売店の東側、民有地側との境界沿いにクロガネモチやモッコクが植えてありますがその間に「キンギョバツバキ」が数本植えてあります。漢字で「金魚葉椿」です。ヤブツバキの園芸品種ですが葉っぱの先がまるで金魚の尾びれのような形になります。

十字路の角にソメイヨシノの大き目の木があります。上の方に直径が60㎝はあると思われる立派な「ヤドリギ」が寄生しています。秋に葉を落とすと良く目立ちます。

「樹木観察マップ」のおすすめコースの点線に沿って十字路を右(東)に曲がると右側はソメイヨシノの大木が枝を下の方まで伸ばしています。お花見時はにぎわいます。花が低いところで見られるので観察するのにもよい場所です。左側に高さが3~4mで枝はホウキを立てたようで、葉っぱが小ぶりのサクラがあります。「コヒガンザクラ」です。エドヒガンとマメザクラの雑種と推定されています。花は小ぶりですが色がやや濃い目でソメイヨシノより早めに咲いてとても美しいです。(会報 こなら 2017 年7 月1日号に掲載)

 

2015年

 小金井市環境賞を小金井市長より授与される。

左側が 清水(初代会長) と 大石会長